自啓録/ある海軍兵学校生徒の青春

戦時下の海軍兵学校に75期生として入学した父が、敗戦とともに卒業するまでの日々を綴った「自啓録」とよばれる日記をもとに、一海軍兵学校生徒の青春をふりかえります。

2019-06-23から1日間の記事一覧

(9) 昭和18年12月9日

「 俯仰天地に愧じない(※ふぎょうてんちにはじない;かえりみて自分の心や行動に少しもはじるところがないこと)人間たれ」 これだけが人を正しく導くものである。 生も常に心の一隅に持っていたいものである。 (注)原文を一部現代語訳に、旧字体は新字体に…

(8) 昭和18年12月8日

たとえこの日 大東亜戦●年日に当たるといえども我らの日課に変わることはない。 淡々とした平日課業。 初雪寒い。 (注)原文を一部現代語訳に、旧字体は新字体に直して掲載しています。また意味のわかりにくい言葉はカッコ書き※で注釈をつけ、原本にて判別…

(7) 昭和18年12月7日

マーシャル群島沖航空戦の戦果を聞いた。 生等(※せいら;自分達学生という意味)の先輩は命壮絶な戦を続行中である。 豈(※あに;どうして)凡夫(※ぼんぷ;凡人)奮起しないことがあろうか。 (※ここの文意はつまり、”いや、奮起するぞ”ということ) (注…

(6) 昭和18年12月6日

第六次ブーゲンビル島沖航空戦の戦況を聞いた。 戦は今、真最中である。 我は唯 当面の事にのみ全力を尽くさん。 (注)原文を一部現代語訳に、旧字体は新字体に直して掲載しています。また意味のわかりにくい言葉はカッコ書き※で注釈をつけ、原本にて判別の…